看護師は職業柄、他者のニーズを優先し、自分を後回しにしてしまいがちです。しかし、心身が疲弊しきっていては、真の意味で人にやさしくすることはできません。他者に愛情を注ぎ続けるためには、何よりも自分の心の余裕を確保することが不可欠です。コップから溢れた水が周囲を潤すように、自分自身の心が満たされてはじめて、患者さんや同僚に対し、自然な笑顔や気配りを向けることができるようになるのです。
積極的に休息を取り、自分を慈しむ自愛の精神を持つことは、決してわがままではありません。プロとして良い看護を提供し続けるための責務であるともいえます。好きな音楽を聴く、美味しいものを食べる、ただ静かに過ごすといった自分なりのリセット方法を持って、心を整える時間を大切にしてください。自分を大切に扱える人は、他人の痛みにも敏感になれます。心にゆとりを持って自分らしくいられるとき、あなたの醸し出す雰囲気は柔らかくなり、人に安心感を与えられる愛され看護師に近づいているはずです。
ちなみにセルフケアは、単にわがまま放題をいうことではなく、自分の心の残量を把握する賢さのことです。疲れが溜まったとき、「今は少し休憩が必要だな」と自分の状態に気付き、早めに対処しなければなりません。それはプロとして最高のパフォーマンスを維持する土台ともいえるからです。休日に仕事のことを忘れ、一人の人間として人生を楽しむ時間は、自身の視野や感性を豊かにし、患者さんの小さな変化や気持ちに気付く視点も育んでくれます。